友人からの便り
もうここ何年も会っていない友人から手紙が届いた。
今では年賀状を交換するのみの間柄となっている。
何だろう?少し厚みがある。
手触りで中身が紙ではないことが分かる。
もしかして・・・。
夕飯の支度の手を止めて封を開けてみる。
ジッパー式のビニール袋に丁寧に入れられた手作りの布マスクが1枚。
表の生地は綿素材のとっても素敵な花柄。裏生地は可愛い水玉模様。
彼女のセンスの良さが窺える。
「よかったら使って下さい。」
同封の一筆箋に短くしたためられていた。
何て凄いことができる人なんだろう!
胸には温かなものが迫り来る超ど級の感動が。
頭にはガーンとショックが。
しばらく思考停止。
多分、友人知人全てにマスクを送っているのだろう。
何年も疎遠になっている私にまで・・・。
マスクを作る手間暇や送る手間暇を考えると
彼女の心尽くしが本当に嬉しい。
反面、私は何をやっているんだろう。
何かをやっているどころか、何にもしていない。
そんな自分を恥じた。
裁縫が苦手なことを言い訳にしていたけれど
マスク作ってみようかな・・・。
や、まずはお礼状をしたためよう。
いや、夕飯の支度が先か。