待望の雨
今朝は母と庭の手入れ。
母は木の剪定。
私は葉っぱや枝を袋に詰める。
母が屋内に引き上げた後も
ゴミ袋を一杯にしないと終われない。
変な使命感に燃え作業を続ける。
さぁ~っ。
「あっ、雨」
音の後から雨がさぁ~っと降ってくる。
もうやめなさいってことかな?
玄関の軒で雨宿り。
さらさらと降っていた雨がすぐに上がる。
止むというより、上がるという方がしっくりくる。
よしっ、まだ行ける。
袋を一杯にするのだ。
せっせと枝や葉っぱを詰める。
途中途中で私の廻りを吹き抜けていく風が涼しい。
袋の口をキュッと縛り、
「よしっ、終わった」
やり遂げた後の満足感。
ふふふ。
これが味わいたかったのだ。
朝のご褒美なのか、
母がお昼を奢ってくれた。
好物の天ざる蕎麦に舌鼓。
二人で曇ってきた空を見ながら蕎麦をすする。
降らないね。
降らないね。朝一瞬降ったけどね。
ほんと?
降るといいね。
降るといいね。
・・・
昼下がりの午後。
さぁ~っ。
「あっ、降ってきた」
朝と一緒。
音で雨を感知する。
縁側に出て庭を眺める。
待望の雨だよ~。
気持ち良いか~い?
良かったね~。
しばらく雨を眺める。
何だろう?この気持ち。
雨が降るのを見て、ほっとしている私がいる。
雨を一番待ちわびていたのは、私だった。