エイプリルフール
櫻の花びらが舞う中、とても”素敵な人”と出会った。
その人は、見目麗しくまるで櫻の精のようだった。
あまりにも幻想的だったので白昼夢だったのかな?と思っていたら、
図書館で再会することができた。
偶然にも、同じ本に同時に手が伸びた相手が”素敵な人”だった。
”素敵な人”は「急ぎませんのでお先にどうぞ」と私に本を差し出した。
私は半ば上の空で本を受け取った。
”素敵な人”の声がとても涼やかで、耳に心地良すぎてぼぉ~っとなってしまったから。
人の声でぼぉ~っとなるなんて初めて。
さらに、差し出された本を持つ”素敵な人”の手がとても美しくて見とれてしまった。
”素敵な人”は存在していた。白昼夢ではなかった。
心が躍った。
再々会は、お気に入りのカフェにて。
偶然にもカウンターで隣り合わせた。
「先日はどうも・・・」から始まり、「あの本の作家さんがお好きなのですか?」
と好きな作家の話で盛り上がった。
これはもう、偶然ではなく必然。
私と彼は出会う運命だった。
恋の予感に胸がときめく。